授業の 到達目標 (ディプロマポリシーとの関連)
|
|
1)微生物(細菌,真菌,ウイルス)の基本的な特徴について簡潔に説明することができる(DP1)。 2)細菌の基本構造である「グラム陽性細菌とグラム陰性細菌の細胞構造の違い(なぜグラム染色をすると青色または赤色に染まるのか)」等,微生物の基礎知識と基礎理論を理解できる(DP2)。 3)人が生活する上(衣・食・住)で関わりが深い微生物の「地球環境での役割」と「善玉菌(有用性)と悪玉菌(有害性)の違い」を理解し,更に「微生物利用の実例」,「微生物が起因となる疾病」,「ハンセン病や子宮頸がんワクチンの諸問題」について理解し,本科目が社会的な環境教育にどのように生かすことができるか説明することができる(DFP4・DP7)。
|
|
|
授業概要
|
|
微生物は地球上の物質循環や環境保全の面で極めて重要な役割を果たしている。また,ヒトは微生物無しには生きていくことができない。本科目では,大気,土壌,水系など地球環境における微生物の生理的・生態学的特性を理解するとともに,ヒトと微生物の関わり(腸内細菌と感染症)について理解できるよう実例や最近の話題(Web,テレビ,新聞,雑誌などで取り上げられた食中毒や感染症の最新ニュース)を織り込みながら,平易に講義する。また,環境教育に係る教育者育成のために,生物間の相互作用を包括的に捉える視点を養うことを踏まえて,環境浄化,エネルギーへの利用,超少子高齢化時代での健康増進への利用 世界規模の食糧問題など微生物の応用理論についても最新の研究や技術情報を紹介しながら授業を進める。
|
|
|
教育課程内の位置づけ
|
|
環境教育学科 専門教育科目 専門応用科目 1年 必修科目
|
|
授業におけるアクティブな特徴
|
|
| |
特徴
|
該当
|
|
A:課題解決型学習(PBL)企業、自治体等との連携あり
|
-
|
|
|
|
B:課題解決型(PBL)連携なし
|
〇
|
|
|
|
C:討議(ディスカッション、ディベート等)
|
〇
|
|
|
|
D:グループワーク
|
-
|
|
|
|
E:プレゼンテーション
|
-
|
|
|
|
F:実習、フィールドワーク
|
-
|
|
|
|
G:双方向授業(ICT活用なし:対話型、リアクションペーパー等)
|
-
|
|
|
|
H:双方向授業(ICT活用あり:クリッカー、manaba等)
|
〇
|
|
|
|
I:反転授業
|
-
|
|
|
|
J:外国語のみで行われる授業
|
-
|
|
|
|
授業計画
|
|
| | |
第1回
|
1)オリエンテーション(家政学&環境教育の中の微生物学の位置付け)微生物学の 毎回の講義の概要
2)地球は微生物の惑星 ヒトの歴史と微生物との深い関係について,微生物の狩人=微生物研究者の変遷 3)小討論(20分)
|
|
第2回
|
微生物の生育条件と培養 1)培養法・増殖曲線・保存法・滅菌と殺菌の違い,制菌と抗菌の違い 2)小討論(20分)
|
|
第3回
|
微生物のエネルギー代謝の多様性 1)代謝と発酵,好気性菌と嫌気性菌,嫌気呼吸と無機呼吸の違い,光合細菌 2)小討論(20分)
|
|
第4回
|
第2部分類編~微生物は分子ツールの宝庫~ 1)グラム陽性細菌(バチルス科,ブドウ球菌科,マイコプラズマ科,ストレプトマイセス科,ノカルジア科など)の総論と主たる菌種の各論 2)小討論(20分)
|
|
第5回
|
グラム陰性菌(プロテオバクテリア) 1)グラム陰性菌(酢酸菌科,リケッチア科,シュードモナス科,腸内細菌科,ビブリオ科など)の総論と主たる菌種の各論 2)小討論(20分)
|
|
第6回
|
極限環境に生きるバクテリア~古細菌・好熱性細菌の驚くべき生存能力~ 1)光合成細菌,クラミジア門,スピロヘータ門,好熱性細菌,古細菌の総論と主たる菌種の各論 2)小討論(20分)
|
|
第7回
|
真菌<菌類> 形態・分類・生態,真菌アレルギーの現状 1)カビ・コウボ・キノコ(子嚢菌門,担子菌門)の多様性と様々な形態(分類と分類法の進歩) 2)カビ・コウボ・キノコ(肺アスペルギルス症などの深在性真菌症,白癬菌による水虫,カビアレルギーの現状) 3)小討論(20分)
|
|
第8回
|
ウイルス 形態・分類・生態,重篤な疾病の現状 1)ウイルスの多様性と分類的な位置づけ(巨大ウイルスの登場) 2)エボラウイルスからインフルエンザウイルスまで(主な疾病とその感染機序) 3)ヒトパピローマウイルスと子宮頸がんワクチン問題 4)小討論(20分)
|
|
第9回
|
原生動物(藻類・地衣類)と節足動物(ダニ・昆虫) 1)細菌・真菌・ウイルスとは異なる微生物の世界を紹介する 2)小討論(20分)
|
|
第10回
|
第3部応用編~医療・健康・発酵工業・食品製造・環境改善・農業などとの関わり~ 1)ヒトと病原微生物の攻防(感染症の種類,性行為感染症,人獣共通感染症,日和見感染,予防と対策の現状) 2)抗生物質・ビタミン・ゲノム医療の現状と未来 3)小討論(20分)
|
|
第11回
|
食品製造と微生物 1)発酵食品製造への利用。発酵食品の世界の歴史と和食文化の変遷(麹菌との関わり) 2)欧米の微生物利用食品の変遷(チーズの歴史など) 3)小討論(20分)
|
|
第12回
|
微生物で健康になる 1)プロバイオテクスと医食同源 2)医薬品製造への微生物の利用 3)小討論(20分)
|
|
第13回
|
地球環境を守る微生物の役割 1)微生物生態系と環境浄化への利用 2)生分解性プラスチックの現状と未来 *「マイクロプラスチック」の深刻な生態影響とヒトを含む動物の健康影響について考える 3)微生物の農業への利用。 4)小討論(20分)
|
|
第14回
|
微生物学 総論(総括) 1)微生物学のまとめ 2)筆記試験
|
|
|
|
授業外学修 予習(事前学修)
|
|
| |
各授業
|
【受講開始前】教科書として使用する「初めの一歩は絵で学ぶ/微生物学~細菌・真菌・ウイルスと感染症~」杉田隆(著)」の中に書かれているコラム欄(各章に1コラムずつ、計9コラム)に目を通しておくこと。また、小討論で用いる「10万個の子宮:あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか・村中 璃子 (著)」を少しずつ読んでおくこと。
|
|
|
[平均 分]
|
|
|
|
授業外学修 復習(事後学修)
|
|
| |
各授業
|
【受講開始後】毎回の講義ごとに授業内容を簡潔にまとめておくこと。講義中に教示する「ハンセン病とライ菌に関する情報全般について」筆記試験に備えて自習しておくこと。
|
|
|
[平均 分]
|
|
|
|
評価方法
|
|
成績の評価は,以下の3点を総合して行う。詳細については初回の授業(オリエンテーション時)で説明する。 1)平常点(30%),2)小討論(20%),2)筆記試験(50%) 平常点は全講義出席を重視する。小討論は毎回20分とし、音読・質疑応答を重視する。 筆記試験は「語群からの選択問題」と「記述式問題」を半々(50点+50点=100点満点)する。
|
|
|
教科書等
|
|
「初めの一歩は絵で学ぶ/微生物学~細菌・真菌・ウイルスと感染症~・杉田 隆(著)/ ㈱じほう」(1,980円)を教科書として使用。 また,小討論の副読本として、「10万個の子宮:あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか・村中 璃子 (著)/2018年2月9日発行/平凡社」(1,760円)を用いる。
|
|
|
課題に対するフィードバックの方法
|
|
小討論に対する講評と参考文献等をmanabaに掲載し、必要に応じて毎回の講義で解説する。
|
|
|
その他
|
|
初回の授業には必ず出席すること。最初のオリエンテーションで本科目の概要,小討議のまとめリポートの書き方,成績評価法など詳細に説明する。
|
|
|
授業担当者の実務経験の有無
|
|
|
|
授業担当者の実務経験の内容
|
|
授業担当者の実務経験の内容 1)2つの企業において、研究職を37年間務めており、主たる研究テーマは、「環境微生物学」および「環境衛生学」である。また、国立の研究機関や大学の客員研究員を現在も兼務しており、基礎と応用の両方の実務経験が豊富である。具体的には、室内環境において、疾病の原因となる細菌、真菌、ダニ、害虫の調査・検査・対策研究や啓発を網羅的に行ってきた。 2)これまでの実務経験を活かして「微生物学」を講義する。また、「ハンセン病とライ菌」や「子宮頸がんとヒトパピローマウイルス」に関する諸問題について、討論を行い、学生が自ら考える力を養えるよう指導する。
|
|
|
ファイル
|
|
|